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人々の熱意に思いを馳せるタイムトリップ 〜 江戸から昭和、和と洋を行き交う〜

半田赤レンガ建物
基本情報
開催
場所 半田赤レンガ建物 - 武豊港駅転車台 – うのはな館 - 大倉公園 - 盛田昭夫塾 - 商い史料館
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「カブトビール」の製造工場で、現在では半田市の観光スポットとしても知られる半田赤レンガ建物。

広告塔2022年にはジブリパークの開園に合わせて、敷地内に約10mの「カブトビール広告塔」が原寸大で再現されました。

笹島停車場 カブトビールスタジオジブリ作品『風立ちぬ』の名古屋駅のシーンにも登場し、話題となったこの広告塔。

明治時代の名古屋停車場に実在し、名古屋の玄関口のランドマークとして当時の絵葉書などにも収められる名所となっていたそうです。

カブトビール ポストカード

カブトビールの歩み

カブトビール製造の背景には、江戸時代の知多半島の産業が関わっています。
江戸時代後期、知多半島には海運業や醸造業などで財を成した地域があちこちにあり、最盛期には200を超える日本酒の酒蔵がありました。

明治時代になると、“文明開化”とともに急速に欧米化が進む時流に合わせ、新たな産業が立ち上がりました。
酒税の増税やビールのニーズに対応するため、1887(明治20年)年、四代目中埜又左衛門(現在のミツカングループ創業家)と盛田善平(後に、現在の敷島製パンの前身である敷島屋製粉場も開業)によって、「丸三ビール」の製造が始められました。

その後、順調に売り上げを伸ばしていく中で、丸三麦酒株式会社が設立されます。この時、建設された工場が現在の半田赤レンガ建物であり、この時に銘柄も「カブトビール」と改められました。

カブトビール

カブトビール(復刻)

カブトビールはパリ万国博覧会(1900年)で金牌を受賞するほどの高い品質を誇り、当時の4大ビール(アサヒ・キリン・エビス・サッポロ)に次ぐ人気となりました。

 

戦時中に惜しくも製造が中止されたカブトビールは、有志らの尽力で2005年に復刻されました。
館内のカフェやイベントなどで、生の「カブトビール」も味わえます。


半田赤レンガ建物 公式HP>  MAP>


東海地区最古の鉄道、武豊線

東海エリアで最初に鉄道が開通したのは、武豊線なんです。
少し意外に思われるかもしれません。

当時、新橋駅から関西方面に向かって早急に線路を伸ばすため、東海地区にも新たに陸揚げ場所が必要となりました。この東海道線をつくる資材を運ぶための港に武豊港が選ばれ、武豊線が作られることになりました。
こうして、武豊〜熱田駅間の路線が1886(明治19)年に開業します。

旧国鉄武豊港駅 転車台旧国鉄武豊港駅 転車台(国の登録有形文化財) MAP >

“日本最古の現役駅舎”といわれる半田市の亀崎駅もこの時に誕生しています。

亀崎駅
JR亀崎駅 駅舎  MAP >

武豊線を北上していくと大河ドラマでも話題となっている徳川家康の母、於大の方の出生地でもある東浦町へ。於大の方にゆかりのある寺院や史跡や、水野家にまつわる資料のある「うのはな館」などがあります。

於大公園 – 東浦町  MAP >
うのはな館(東浦町郷土資料館)– 東浦町  MAP >


尾張徳川家のお膝元から
物流・製造業の中心地へ

知多半島は尾張徳川家のお膝元でもあり、瀬戸内海から江戸までの海運の担い手だったは、“殖産興業”(=生産を増やし、 産業をおこすこと)を推進した明治政府の政策をいち早く体現し、日本の発展を支えていきました。

こうした知多半島の歴史を物語る施設が各地にあります。
大府市には大正時代に建てられた日本陶器(現ノリタケカンパニー)の初代社長、大倉和親氏の別邸を元に作られた大倉公園もあります。

大倉公園茅葺門
旧大倉和親別荘表門(国の登録有形文化財) – 大府市  MAP >

洋式の建築様式やビールづくり、汽船や汽車、紡績産業などをいち早く取り入れながら変化を遂げたこの地域は、現在のカゴメやソニーといった企業の創業者も輩出していきました。

盛田昭夫塾-外観「盛田昭夫塾」は、ソニー創業者となった盛田昭夫とその妻良子の人となりを紹介する記念館です。人との揺るぎない「縁」を何よりも大事にしていた昭夫。彼は造り酒屋の十五代当主として生まれ世界に新しいビジネスと文化をもたらしました。

盛田昭夫塾その「縁」づくりを支えたのが妻良子の「おもてなしの心」です。
この「盛田昭夫塾」では、二人が残した公私にわたる数々の品を展示し、その功績を伝えます。
盛田昭夫塾 – 常滑市  盛田昭夫塾 HP > MAP >

懐かしの昭和の空気を伝えるミュージアムとしては、東海市の「商い史料館」もおすすめ。

横須賀地区は、尾張徳川家2代目藩主徳川光友公の別荘として横須賀御殿「臨江亭」が作られ、その後も代官所が置かれるなど、江戸時代以降、知多半島北西部の中心地として大いに栄えました。

尾張名所図会 横須賀
『尾張名所図会』(前編巻6 明13) 国立国会図書館デジタルコレクションより

温故知新処 商い史料館 温故知新処 商い史料館

こうした歴史ある土地、横須賀の街の一角に「商い史料館」があります。
手入れの行き届いた館内に一歩中に足を踏み入れると、明治から高度成長期の昭和までの日用雑貨や暮らしの道具が並びます。

温故知新処 商い史料館 – 東海市 観光協会 HP>   MAP>
※事前予約制(0562-33-4105)入館無料

温故知新処 商い史料館

「商い史料館」は明治20年から続く日用雑貨卸問屋で、いち早くアメリカで流行していたスーパーマーケットの業態を取り入れて成功した西丸屋の私設史料館。
現在も「温故“商”新(古きを訪ねて新しきを商う)」をモットーに、名鉄尾張横須賀駅構内に化粧品専門店「ニシマルヤ」を営業中です。2023年には、ハンドドリップコーヒーを楽しめる「LIVE CAFE2408」をオープン。地域に貢献する新たな商いを続けています。

LIVE CAFE 2408
合わせて寄りたい
LIVECAFE2408
(ライブカフェニシマルヤ)- 東海市
公式Instagram>  MAP>
化粧品店「ニシマルヤ」の隣接スペースに開業した「LIVE CAFE2408」は、本格的な味のコーヒーのテイクアウト可能なハンドドリップ・カフェ。客室(定員15名)は店内飲食のほか、使用料無料から使えるプロ・アマチュア不問の音楽家を支援するスペース。

LIVE CAFE 2408 LIVE CAFE 2408
ストリートピアノとしても使えるグランドピアノも常設。

尾張横須賀珈琲
ティーバッグのように簡単に楽しめる南知多の備長炭で焙煎した濃厚な味わいが自宅で楽しめる「尾張横須賀珈琲」も新たなお土産物として人気になっています。


知多半島で、江戸から明治・大正、そして昭和へ、和から洋へとダイナミックに変化した日本の歴史に思いを馳せるタイムトリップの旅に出かけてみませんか。